愛とパズルとアルコール
上田市の内山重利様(90歳)は酒好きだ。
ただし、決して飲んだくれにはならず、日に一合か二合を楽しまれる。
それが、内山さんの昔から変わることのないお酒の流儀だ。
内山さんがまど花に入居されたのは、昨年の12月。
とても温厚な方で、定期的に訪れる娘さんの面会をいつも楽しみにされている。
またいつも居室では、「難問ナンプレ」という厚い本でパズルを解くことに精を出されている姿が印象的だ。
また、体調の加減をみながら、晩酌を楽しまれている。
~施設において、皆さんの「楽しみ」を大切に捉え、その楽しみを精一杯の協力で応援させていただきたい。
今回、内山さんから「入居後もお酒を飲みたいんだ」と伺った瞬間、私の応援スイッチに電源が入り(^^♪
もちろん、主治医との連携を取りながら、ご本人、ご家族とも協議し体調の許す限りの飲酒を行っていただきたい。
まど花での生活ももうすぐ2か月。
個人的にも内山さんのお酒との関わりに大変興味があり、昼下がりに居室を訪れ、快くお話を聞くことに成功!
以下にインタビュー記事を掲載したい。~
「愛とパズルとアルコール」
飲み始めたのはずっと若いころ。
時は遡って終戦間際。中学2年(現在の16歳のころ)で学校を卒業し福島県で農林省の仕事についてから。
山の中でナタやノコギリ、カマといった技術を学ぶ傍らで、一日が終わると山男たちは皆で一杯やるのは当たり前のことだ。
(ビールや日本酒などはここで鍛えられる。)
農林省の仕事を定年まで勤め上げるまで、長野県内を転勤で色々(善光寺平や佐久平・伊那木曽といったところ)回ったが支えになったものは家族であり、
お酒もまた生活を支えるものであったそう。一人でも、仲間でも飲みに行ったり。
現在は焼酎を楽しまれる内山さん。7年か8年前まではビールや日本酒のちゃんぽんだったそう。
焼酎1:湯1のお湯割りが定番の割合。昔は20度のものだったが、現在は格上げし25度に。
好きな銘柄は、鹿児島産「財宝」。しかも取り寄せ。つまみにこだわりなし。手軽にピーナツ・あられ・柿の種などでもいいし、
「家では刺身や焼き魚を酒のアテにしていたよ」と。
※大分産かと思っていた所、ラベルをみて あぁ、鹿児島だったね(笑)
奥様について伺ったところ、
お酒を飲まれない奥様は、お好きにどうぞ、ご勝手にと笑ってみていたそう。
毎日の晩酌にはさぞ奥様のご協力もあったのかと思いきや、
内山さん自身がお燗も何も一人で用意し、一人で黙って飲んでいたと聞いてビックリ!
そんな事も含めてお酒の楽しみと笑って言われるが、なかなか出来る事ではない。
私の考える”いい男”の条件を持ってらっしゃる内山さん。
家族に対して一言求めると…
奥様には、「好きにやらせてもらってありがとう」
娘さんには、「飲める環境を作ってくれてありがとう」と。
内山さんにとって「酒」とは?
A.麻薬かなぁ。
こんなに優しく人当たりも良い、”いい男”である内山さんから、まさか麻薬なんて言葉が出てきたことにいささか驚いた。
が、人生の真面目さと、遊び心や息抜きといった所の加減を熟知されているのだろう。
麻薬でさえも、内山さんにかかればコントロールされてしまうのだ。その証拠にどんなに飲んでも一合二合、決してグータラには飲まず、今日もクロスワードパズルと酒の味を楽しまれている。
※16歳から飲んでいたことは昔のことだから許してくださいと。もちろん時効ですよ(笑)
終わりに…
酒が飲めることは、同時に家族への感謝でもあり、その気持ちを素直に口にされるお姿は、本当にジェントルマンだと感じました。
「愛」という言葉が似合う内山さん。
これからも体調の許される限りお酒を楽しんで頂きたいですし、出来るならお酒のお供もさせて欲しい!そんな気持ちになりました!
今回、取材に応じてくださった内山さん、掲載の許可をくださった娘さんに感謝いたします。